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サーモフィット熱収縮チューブご利用にあたって(用語説明) 技術情報

Tyco Electronics (Raychem)社

テクニカルレポート

目次

・サーモフィット熱収縮チューブとは
・収縮比(内径)、縦方向収縮比(長さ)
・収縮前後のサイズについて
・連続使用温度
・規格、耐電圧、2%モデュラス
・難燃性、腐食性、耐薬品性、リーチ規制
・ハロゲンフリー、RoHs指令

■ サーモフィット熱収縮チューブとは

Raychemブランドの熱収縮チューブは、Tyco Electronics社の放射線架橋技術を高分子材料に応用する研究から生まれました。
今日、Raychemブランドは世界中で熱収縮チューブに関する最高の経験と知識を持つ会社として認められています。
Raychemブランドの熱収縮チューブは、ポリオレフィン、フッ素系ポリマー、あるいはエラストマー材料に放射線架橋することにより、熱収縮特性を付与して作られています。
チューブを取り付け、加熱することにより被せられた相手の材料の形に合わせてどのような形にも収縮します。
熱収縮チューブを被せることにより、絶縁、機械的保護、補強、美観等を向上します。

一層熱収縮チューブは、薄肉、中肉厚、肉厚タイプがあります。二層チューブでは、内側の層に接着剤または包埋剤を使い、加熱中に融けて流れ出し、耐環境性能を向上します。包埋剤は、水がかかっ
たり腐食する環境からコネクタや部品を保護します。接着剤はプラスチック、金属、ゴム、あるいはそれ以外の基板に対する防水性を得ています。

お客様のご要求に応じて、非常に柔軟性の高いものから、中硬度のものまで、あるいは使用環境温度が高いものから、低温まで、あるいはハロゲンを含まないものや、ハロゲンをふくまずかつ、各種
の規格に対応する難燃性のものまで、広汎なチューブを揃えております。また、サイズ、構造、長さ、色から、ULやCSA等の業界規格、あるいはMIL規格等のご要求にも応じられます。特別なご用途にはカストマイズに応じることも可能です。
装着はハンドツールタイプの加熱工具あるいは据付タイプの加熱装置によって素早く、簡単におこなえます。量産用には自動から半自動の加熱装置も用意しております。

■ 収縮比(内径)

■ 収縮比(内径)

但しVersafitファミリー等の一部のチューブはこの方法に従わないものがある。チューブのサイズによって収縮比が異なるため、大き目のサイズの収縮比で代表している。

■ 縦方向収縮比(長さ)

■ 縦方向収縮比(長さ)

一般的にはマイナスとなり、その場合は縮むことを意味する。プラスの時は伸びることを意味する。基本特性で表現している縦方向収縮比は何の制限もなく完全収縮させて時の値であり、実際に相
手にチューブを被せると、通常は完全収縮ではなく、また、相手との摩擦により縦方向収縮の程度が変化するので、そのままこの値を設計に使用するのは望ましくない。熱収縮チューブ選定の際に、
比較のために見るのに意義がある。

■ 収縮前後のサイズについて

収縮比、縦方向収縮率等は本文中に記載のスペック項目に、また、収縮前後の数値(mm)は商品一覧表に表している。

■ 収縮前後のサイズについて

■ 連続使用温度

この温度範囲ではチューブの特性が許容範囲内の変化で収まる温度である。
時間は、規格によって異なるがULでは20000時間を想定している。

■ 規格

外部機関の定めた規格と社内規格の2種類に大別される。
外部機関としては、MIL(米軍規格)、SAE(The Engineering Society For Advancing Mobility Land Sea Air and Space)、UL、CSAがある。最近MIL規格の一部がSAEに移行さ
れるものがあり、代表的な熱収縮チューブのMIL規格であったMIL-I-23053がSAE-AMS-DTL-23053に移行された。但し、内容は全く変更されていない。
一方、社内規格はRT、RK、RWで始まる記号で表される。地位上の場合、品質確認試験は社内規格に基づいて行われている。

■ 耐電圧

熱収縮チューブを電極としての金属マンドレル上で熱収縮し、その表面に対抗電極を貼り付ける。そして、1秒間に500Vの割合で電圧を上昇し、絶縁破壊するまで測定する。そして、その電圧をチューブの肉厚で割って、単位厚みの電圧に換算する。注意を要するのは、この電圧は瞬間的なものであり、かつ肉厚と電圧の関係はリニアな関係にはないので、チューブ品種の比較の資料としなければならない。

■ 2%モデュラス

引張り試験において、伸びが2%になった時の応力を2%モデュラスという。柔らかさの指標である。

■ 難燃性

いろいろな規格があるが、最も厳しいのはVW-1である。これはチューブを垂直に保持して、真下からバーナーで着火し、1分以内に自然消火する(自己消火)ことを求めている。これ以外にはASTMで規定している60°傾斜の燃焼試験もある。社内規格はこの方法によっている。

■ 腐食性

光沢表面の銅と熱収縮チューブを密着し158℃7日間保持する。その後のチューブから発生するガスによる銅表面の腐食の程度を黒化度にて評価する。

■ 耐薬品性

規定する薬品(液体)に規定する温度で規定時間チューブを浸漬した後、引っ張り強度と耐電圧を測定して判定する。

■ 耐薬品性

我々の住んでいる天体「地球」が人間の手により、環境が破壊されています。地球温暖化等の関係もあり、その対応を急がなければなりません。弊社は地球の環境問題に対して真剣に取り組み、環境にやさしい製品を開発する事を使命とし、製品提供を行っております。

■ リーチ規制

REACH(リーチ)規制とは化学物質の登録、評価、認可制度で、EU(欧州連合)が2007年6月に発行した法律です。
従来の規制は、国ごとに運用され新規物質の届け出が中心だったが、本規制ではEU域内で販売されるほぼ全ての化学物質について安全性評価を義務付け、その情報を登録させるものです。「生産者責任」と「予防原則」の徹底が目的で、これまで規制対象外だった10万件の既存化学物質にまで規制が拡大されます。
REACH規則は全ての産業に適用されるので、RoHS指令等に無関係だった企業も無関心でいられなくなる可能性が高いと言えます。

■ ハロゲンフリー

ハロゲンフリーとは、ハロゲン化合物を一切含まないこと。ハロゲン化合物とは塩素、臭素、フッ素等で、従来から難燃材として広く使用されてきました。PVCには塩素、テフロンにはフッ素が含ま
れており、すぐれた特性を得ています。
しかし、これらのハロゲン化合物の塩素、臭素、フッ素は燃焼時にダイオキシンやその他の有毒なガスを発生する可能性があり、現在ではハロゲン化合物を含まない製品の要求が非常に高まっております。レイケムでは、使用する主原料、また、使用する難燃剤等にもハロゲン化合物を一切含まれていない製品を“ハロゲンフリー”と呼び、ハロゲンフリー製品提供を行っております。

■ RoHS指令(Restrictions on the use of certain Hazardous Substances)

RoHS指令「有害物質の使用に関する制限」により、2006年7月以降原則的に有害6物質(鉛、カドミウム、六価クロム、水銀、PBB、PBBE)の使用を禁止するという規制です。

=注意=

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